こんにちは!ゼロカラカンパニーの月岡です。
ゼロカラシティにご参加いただきありがとうございます。
このコラムは、ゼロカラシティのメンバー限定コンテンツです。内容はメンバー以外に漏らすことのないようお願いします。
さて、今回のテーマは『やっとアルバムが発売したので、今日は過去を語らせてくれ!!』です。
3rdアルバム「許さず生きろよ」本日配信スタート!
出ました!!!!!
今日という日をどれだけ待ったことでしょう。
1年間準備していた作品が、ようやく日の目を見ることができました。
サブスク配信の再生回数はまだ上がってきていませんが、パラデータは予想を超える人数に買っていただいています!
……嬉しい!!!
パラデータって、作るの結構大変なんですよ。書き出しに時間がかかるし、データが重いから販売形態も一筋縄では行かないし…。(販売サイトであるBASEでは、売れるデータのMAX容量が1GBまでだったので、今回は中身をドライブにアップしておいて、そのリンクを記載したpdfデータをお届けする、という形になりました。)
だから、たくさん買ってもらえてホッとしています。本当に準備してよかったです。
買ってくださった方、本当にありがとうございます!!使い倒してください!!
昔話をしよう
さて、私は今日、とても気分がいいです。
「肩の荷が降りた」という表現が、今の私にはこれ以上ないほどに的確です。
しかも、それに加えて、実は私、今日は休日なのです。
アルバムの発売日が決まったときから、「12月21日は仕事を入れないぞ」と固く心に決めていたのです。ははは。今日の私は無敵です。
気分がいいので、昔話でもさせてください。
テーマはそうですね……「私が音楽を始めたきっかけ」でいいですか?
この昔話は、最終的に、「なぜアルバムの発売日が『12月21日』なのか」につながります。
自分語りになってしまいますが、よろしければ最後までお読みください。
友達の少なかった少年時代
私が音楽に興味を持ったのは、中学2年生の頃でした。
それまでの私にとって、音楽といえば、「テレビで流れるCMソング」「観てるアニメのOP,ED」「車で親が流す懐メロ」の3択でした。
それ以外の音楽と接する機会は、当時の私には、ほとんどありませんでした。その理由は、我が家の教育方針にありました。
私の両親は、子供にデジタルメディアを見せることを好みませんでした。
ですから、私は小学生の頃、ゲームの類は一切禁止、テレビも21時以降の番組を見ることは禁止されていました。
私が子供時代に触れていたのは、もっぱら親の買ってきた本でした。友人が「エンタの神様」を見ている間、私はちびまる子ちゃんのことわざ辞典や東海林さだお先生のエッセイを熟読していました。ですから、ポケモン、マリオ、お笑い、スポーツなど、学校の教室で盛り上がっているデジタルメディア的話題に、私はまったくついて行くことができませんでした。
そんな家庭で育った私に、中2の頃、転機が訪れます。
きっかけは、「モンハン2ndG」の大流行でした。少年がみな、放課後にPSP(プレイステーションポータブル:携帯ゲーム機)を持って集まっていた、あの時代です。
当時の熱狂たるや凄まじく、PSPを持たぬ者に友達と遊ぶ権利はない、といっても大袈裟ではありませんでした。
中学生は友達と遊べないと困ります。子供の世界ではそれくらいのことでいじめに発展することもあります。年齢や周辺環境を鑑みてもらい、さすがの我が家も、ゲームの規制が少しゆるくなりました。そして、紆余曲折の末、私はついに、念願のPSPを買ってもらいました。
月岡彦穂、中2でついにゲームデビュー。「俺もモンハン仲間に入れて」と言えたあの日の誇らしげな気持ちは、今でもよく覚えています。
ゲームを買ってもらったことで、友人が増えました。誰かの家に集まって、みんなでモンハンをする放課後が続きました。
そして、友人付き合いが増えたことにより、今まで通ってこなかったデジタルメディア的な文化に触れる機会も多くなりました。
私はゆっくり、でも確実に、「普通の中2」になっていったのです。
とあるバンドとの出会い
ある日のことです。
いつものようにみんなでモンハンをしていたら、そこにいた友人の森口くんが、突然、PSPから聴いたことのない音楽を流し始めました。
たぶん、理由なんてなかったと思います。森口くんはそういう子でした。彼はとてもマイペースで、次に何をするか読めない、マイワールドな性格の少年だったのです。
今っぽく言えば「不思議ちゃん」でしょうか。みんな、森口くんが何をしても「OK.OK.またなんかやってんな」とスルーし、でも別に嫌な空気にはならない。そういう距離感で、みな、森口くんと接していました。
だから、森口くんが突然流した音楽を、みんな華麗にスルーし、会話を続行していました。
でも私は、どうしてもその音楽が耳に残って仕方がありませんでした。
「森口くん、今の音楽は何?」
私は彼に聴いていました。彼はニヤリと笑いました。
「エルレガーデンって言うんだよ。いいでしょ?」
……あのとき感じた衝撃は、15年近く経った今でも、”たった1回”を除き、記録更新されていません。
「たかが音楽程度で…」と思うかもしれません。しかし、初めてエルレを聴いたときの衝撃は、それほどのものだったのです。
雷が落ちた、ハンマーで殴られた、天変地異が起きた……。どんな言葉を使っても、当時の衝撃を正確に表すことは不可能でしょう。中2という多感な時期のせいもあり、森口くんの流した音楽と「エルレガーデン」という言葉は、それからずっと、私の頭の中でリフレインしていました。
後日、私は気もそぞろにCDショップに出かけました。エルレのCDを買うためです。自分のお金でCDを買うのは初めてでした。2,500円は中学生には大金でしたが、迷わず一番曲数の多いアルバムを買いました。
ラジカセにCDを入れて、狂ったように聴き漁りました。モンハンも徐々にやらなくなり、空いた時間はすべてエルレを聴くことに使いました。
また、エルレの歌詞は英語が多いのですが、歌いたくて仕方がなかったので頑張って覚えました。アルバムに収録された全曲の歌詞を覚えた私は、英語の成績が少し上がりました。
学校の休み時間には、森口くんと階段の踊り場に行って、暗くて湿った狭い空間でエルレを歌いました。私が主旋律を歌うと、森口くんは器用にハモってくれました。「俺はハモるのが好きなんだ。俺がウブさんで、彦穂が細美さんね。」と彼は楽しそうに言いました。森口くんは、集団の中では絡みづらい奴でしたが、1対1だと純粋で、物知りで、多彩な、最高の友人でした。
私は休み時間だけでは飽き足らず、放課後は森口くんの家に通うようになりました。彼の家には私が持っていないエルレのCDやDVDが山程あり、2人でそれを見ながら夕飯時まで熱唱しました。
2人の遊びは、クラスが離れてもずっと続き、この遊びを通じて、私は、歌う喜びと、誰かと音楽をやる喜びを知ることができました。
中学を卒業した私には、ようやく「好き」と言えるものができました。音楽が好き。エルレが好き。それらは私のアイデンティティとなり、そういう振る舞いをしていたら、ぞろぞろと気の合う連中が集まってきました。そうして人と繋がった経験が、今の仕事にどれほど活きていることでしょう。
小学生の頃みんなの話題についていけなかった私が、自分の好きなことで人を集められるようになる。そのきっかけをくれたのは、間違いなく森口くんであり、そして、ラジカセの向こうにいるエルレでした。
……しかし、エルレは私が中2のころ、すでに活動を休止しており、復活はおそらくないだろうと、ファンの間では囁かれていました。
私は、一番好きなバンドの新曲を、一度も聴いたことがないまま大人になり、そして、いつの間にか27歳になりました。
世界が動いたのは、今年、2022年でした。エルレの新曲が発表されたのです。
「Mountain Top」と名付けられた新曲を聴いたときの衝撃は、中2の頃PSPから流れてきたエルレそのものでした。
私が一番好きなのはエルレガーデン。今年は、それを改めて実感できた1年でした。
続けてもう1曲配信されました。そして、アルバムの制作が発表されました。
夏になり、秋になり、冬になって、アルバムの発売日が発表されました。「12月21日」と書いてありました。
私の3rdアルバム「許さず生きろよ」の発売日は、完全なるエゴとオタク心の賜物です。
中2の頃の自分に教えてあげたいです。
「おまえ14年後、エルレと同じ日にアルバム出してるよ」
最後に
あー、気持ちよかった。
これ、今読み返したらとんでもない自己満記事ですね(笑)
まぁ、今日だけは許してください。今日は私にとって特別な日なのです。敬愛するバンドと、そして私の新作が世に出た日なのですから。
いや、月岡、おまえのことは許せない。こっちは金払ってんだぞ、ふざけるな。絶対に許さないからな。
……そうお感じになった方は、ぜひ「許さず生きろよ」を聴いてください。今日の私は無敵です。
さて、来週で年内のゼロカラシティ通信も最終更新です。少し早いですが、今年はありがとうございました!
来週もお楽しみに!