こんにちは!ゼロカラカンパニーの月岡です。
ゼロカラシティにご参加いただきありがとうございます。
このコラムは、ゼロカラシティのメンバー限定コンテンツです。内容はメンバー以外に漏らすことのないようお願いします。
さて、今回のテーマは『月岡が影響を受けた本はこれだ!』です。
本っていいよね
今年、新たにゼロカラシティに「おすすめコンテンツエリア」ができました。
ここでは、みんながざっくばらんにおすすめの本や動画を紹介しています。
このエリア、私はとても好きです。共同体では、ひとりひとりの知識はどんどん共有して、みんなで賢くなっていくのが良いと思っているからです。いまや本や動画をdigる(懐かしいですねこの言葉)時代は終わっており、自分が欲しい情報は、近接領域にいる人間が勝手にかつ一直線に共有してくれるもの、という認識で私はいます。
とはいえ、近接領域外からの情報に価値がなくなったわけではありません。思いもよらぬところから入ってくる情報が、人生を変えるほどのインパクトを持っていることってザラにありますよね。
というわけで、需要があるかはわかりませんが、今日は私が影響を受けた本でも紹介しようと思います。
私はそこそこ本を読む人間で、小学校低学年の頃はずっと図書館にこもっているようないわゆる本の虫でした。本からたくさんの知識や考え方を学び、多大なる影響を受けてきました。
昔読んだ本の中身は語れるほど覚えていないので、今日はここ1〜2年で読んだ本の中から「これは!」というものを紹介します。どれも今の私の考え方にゴリゴリに影響を与えている名著です。整理してみたら有名な本ばかりで少し恥ずかしいのですが(この”恥ずかしさ”には自意識が出ていて少し嫌ですね)、ぜひ面白そうだと思ったら読んでみてください!
①エッセンシャル思考 / グレッグ・マキューン
去年読んだ本で一番良かったのは、これです。
初版の発行は2014年なので、もう9年も前の本になるのですが、当時大学生の自分にはクサく感じられ、本屋で見て見ぬふりをしてきたタイプの一冊です。……こういう本を毛嫌いする時期ってありますよね。
しかし、何事も読まず嫌いはよくありません。騙されたと思って読んでみると、なるほど確かに面白いことが書いてあります。
中身としてはざっくりと
- 無駄なことはするな
- 本当にやりたいことに集中しろ
というありきたりな教えのビジネス書なのですが、なんでしょうね、読んだ時期の自分の状況にピタリとあっていて、とても心地が良かったんですよね。
2022年は、とにかく忙しい1年間でした。フリーランスとしては忙しい=ありがたいなのですが、それにしてもちょっと、自分を見失いそうになるくらい忙しい時期もあり、自分が何をやっているのか、この先には何があるのか、そもそもこんなに働く必要はあるのか、いろいろなことをぐちゃぐちゃと考えながらも、目先の仕事で精一杯になっているうちに気づけば今月も終わっている、そんな1年間でした。
だから、この本の一節である
より少なく、しかしより良く
という言葉には痺れました。
それまでの私は、
「自分の能力を発揮できるなら何だってやる。だってそれが社会に価値を提供するってことだから」
と考えていたのですが、この本を読んでその考え方は変わりました。
「自分の能力を一番発揮できる場所のみで、MAXの価値を提供する」
この本を読んでから、私は少しずつCubaseオンラインレッスンをはじめとする業務を減らしています。今年はいよいよ「YouTube、ゼロカラコンピ、ゼロカラシティ」だけに仕事を絞り込むつもりです。がんばるぞ。
②思考の生理学 / 外山滋比古
これは超有名な1冊ですね。
なんと初版は1983年。私は生まれてもいません。
なぜこんな昔の本と出会ったのかというと、そのきっかけは高校生の頃にまで遡ります。
高校生のころの私は「あれもこれもやるマン」でした。興味のあることには片っ端から首を突っ込み、勉強、部活はもちろんのこと、生徒会に所属したり、バンドを組んでみたり、学級委員長になってクラスイベントを企画してみたりなど、「あいつどこにでもいるな」的ポジションを確立していました。
そんな性格でしたから、私は好かれる人にはものすごく好かれ、嫌われる人にはものすごく嫌われていました。「極端なやつ」だったからですね。そんな私を見かねてか、高校の恩師が「お前はこれを読め」と紹介してくれたのがこの本でした。
私は早速家に帰って本を読みました。しかし、まったく理解ができませんでした。思考の整理学を読んだ方はわかると思いますが、この本、超読みにくいんですよね。それもそのはずで、外山滋比古先生は学問の領域に燦然と輝くマジモンの天才で、彼の圧倒的な知性と教養を味付けなしの完全無加工でお届けしてくるのがこの本、思考の整理学なのです。
高校生の私にはちょっと早すぎました。本を読めなかったことなんてそれまでなかったので、悔しくて、それから何度もチャレンジし、しかし何度も折れてきました。
しかし去年、ふと手に取って読み始めたら、不思議なことにすらすらと読めたのです。あれは感動しましたね。ああ、ちゃんと成長してるんだなと実感できました。そして、高校の恩師が、当時の私にこれをすすめてくださった理由も、やっと理解できました。
思い出話が長くなりましたが、この本の魅力は
超・普遍的な本質
です。
「アイデアはいかにして生まれるか」という章があります。外山滋比古先生によれば、アイデアとは
- さまざまを経験し
- 理解を深めた上で
- 一度忘れる
- するとある日、知識がアイデアに姿を変えてやってくる
みたいなことが書いてあります(私の拙い言葉ではなく、ぜひ先生の深みのある言葉で読んでほしい…!)。
このアイデア出しの方法は、今でこそ研究が進んで実証もされて、あたりまえに取り込む人も増えてきましたが、ここでもう一度、この本の初版年を思い出してください。
1983年
天才、外山滋比古先生の代表作。ぜひ読んでみてください。
③多動力 / 堀江貴文
「思考の整理学」で高校時代の話を書いたのは、自分語りがしたかったからではありません(いや、ちょっとそれもあるかも)。
私は多動性のある学生でした。なんでもやりたがって、なんでも中途半端になっていました。だからこそ「エッセンシャル思考」も「思考の整理学」も刺さったのです。
この本も有名なので読んだ方も多いでしょう。「多動力」は2017年に初版されたホリエモンのビジネス本です。
書いてあることはだいたい
- 真面目にコツコツやる時代は終わった
- あらゆるジャンルの越境者こそが新時代を作る
的な感じです。
最初に断っておくと、私はこの本の内容には半分賛成で半分反対です。
「真面目にコツコツやる時代」は終わっていないと思います。YouTubeを3年間やり続けている私は、むしろ「真面目にコツコツやることでしか成功は得られない」という経験則を持っているからです。
少し話はそれますが、ホリエモンの話は基本的に全部「case by ホリエモン」なので、私のような凡人が鵜呑みにして真似するとめちゃくちゃイタイことになります。ほとんどの文章は彼の経験則であり、徹底した実験に基づくものではありません。ホリエモンだからできることと、ホリエモンでなくてもできることは切り分けて読まないと大変なことになりますのでご注意を……。(例えば本の中に「会議中にスマホをいじれ」と出てきますが、私は自分のスタッフがそれをやっていたら即座にクビにします)
一方で、「あらゆるジャンルの越境者こそが新時代を作る」は本当にその通りだなあと納得しました。私たちの領域で言えば、音楽が作れるだけでは今の時代ダメで、イラストも、動画編集も。……ここまでは誰でも思いつくことですが、それに加えてビジネスも、営業も、はたまた心理学や経済学を理解していることも、何もかもが前向きにはたらく時代であることは、最近のネット音楽市場の動向を追っていれば見えてくると思います。
越境のための手段として、冒頭で触れた「おすすめコンテンツエリア」を使ってほしいなと思います。あのエリアでは一見音楽に関係なさそうなコンテンツも紹介してほしいものです。
そして最後に、「多動力」は高校生の頃の自分を肯定してくれたようで嬉しかった。
この感情論で締めくくりたいと思います。
④行動経済学の使い方 / 大竹文雄
去年勉強して一番おもしろかったのが「行動経済学」です。
行動経済学とは、従来の経済学とは一線を画した、非常にユニークでおもしろい考え方の学問です。
ざっくり説明すると
今までの経済学って、人は”合理的に判断する”前提で話を進めていたけど、みんな結構バカだから”感情で判断する”よね?
という学問です。大体外してないと思いますが、専門家が読んだらブチギレそうですね。厳密な学びはぜひ本でお願いしますね……!
行動経済学は、実生活に当てはめた例がたくさん出てきてとても学びやすい学問です。
例えば、
- 損失回避…人は同量の得と損があったとき、損を嫌う傾向がある(例:1万円をもらえるよりも、1万円を奪われる方が嫌)
- フレーミング効果…同じ情報でも焦点の当て方で認知は異なる(例:生存率99%の手術より、死亡率1%の手術の方が怖い)
みたいな。
確かに〜!って感じで面白いですよね。こういうのがわんさか書いてあります。
日常生活に基づきまくっている分、あらゆるものに応用が効く学問です。この本を読むと、「あれ?あの人が前にやっていた○○ってもしかして……?」となるかもしれませんね。
⑤フランス人は10着しか服を持たない / ジャニファー・L・スコット
パリの格式高い家庭にアメリカンガールがホームステイして受けたカルチャーショックを描いたエッセイです。
エッセイなので、読み手によって様々な切り口の感想があると思いますが、私が一番強く感じたのは
気高く生きることの美しさ
でした。
ホームステイ先のマダムは、家庭内でもまったく隙を見せません。スウェットでうろついたり、横になってお菓子を食べたりはしません。
言ってしまえば、ずっとカッコつけています。
でも、このカッコつけは、「自分がよく見られたい」という動機ではなく「自分のことを好きでいたい、自分に失望したくない」という動機だと、私はエッセイを読んで感じました。
前者ならダサいですが、後者は最高にクールじゃないですか?
この本を読んでから、私は人前に姿を見せない日でも、しっかりと髭を剃って髪をセットしています。家から一歩も出ないのに、香水をつけることもあります。すべては自己愛の賜物です。最近BBクリームという肌色を補正する化粧品を買いました。眉毛の形がずっとコンプレックスだったので、眉ペンを買って、毎日眉毛を描いています。
私は、そんな自分磨きを怠らない私のことが大好きなので、仕事も毎日頑張れちゃいます。
私はキモイでしょうか?
キモイと思われた方は、ぜひこの本をお読みになって、新たな知見を身につけていらしてはいかがでしょうか。ごめんあそばせ。
まとめ
いかがでしょうか?
気になった本があったらぜひ読んでみてくださいね!
そして、みなさんが影響を受けた本も、エピソードとともに教えてください!
では、来週もお楽しみに!