お前の色を出すな

こんにちは!ゼロカラカンパニーの月岡です。
ゼロカラシティにご参加いただきありがとうございます。

このコラムは、ゼロカラシティのメンバー限定コンテンツです。内容はメンバー以外に漏らすことのないようお願いします。

 

さて、今回のテーマは「お前の色を出すな」です。

私はもともとバンドマン

個人的な話ですが、私、月岡はもともとバンドマンでした。

大学生の頃に組んでいたロックバンドがあり、ギターボーカルとして活動していました。

そのバンドではオリジナル曲を作っていましたが、その作り方が、まぁ、めちゃくちゃに「独裁的」でした。

 

  • まずは月岡が弾き語りで基礎を作る
  • 次に月岡が弾き語りをCubaseに入れ、他のメンバー(ドラム、ベース、リードギター)のパートもすべて考える
  • そうして完成したデモ音源をメンバーに聴かせ、アレンジは加えずに「そのまま」耳コピしてもらう

 

「そんなん月岡のソロプロジェクトやん!!」と言われれば、そうです、と返すしかありません。私のバンドが出す音は、全て私が決めていました。フレーズはおろか、一番熱が入っていた時期はギターやベースの音作りにまで口を出し、メンバーのアンプのつまみを私が調整していました。

当時20歳そこそこ。音楽に熱狂していた私は、「メンバーの気持ち」や「集団の動かし方」を察するには、少し幼すぎました。結果としてバンドは解散し、私は一人でバンドサウンドを作るソロミュージシャンとして活動していきました。

 

あのやり方でよかったのか?

当時の私のバンド経営の方法は間違っていたと言わざるを得ませんが、しかし一方で、これが驚きなのですが、バンドがうまく回っていたのも事実です。

周りからは一目置かれていましたし、実際、自他共に認める軽音楽部の代表バンドとして、その地位は揺るぎなかったように思います。大学祭のテーマソングも書きましたし、バンドマンにとっての晴れ舞台である、ワンマンライブも若くして行いました。

今思えば「大学の軽音楽部」なんてちっぽけな世界ですが、でも、ちっぽけな世界で私は王になりました。メンバーは文句を言いながらも「月岡に振り回される自分」を楽しんでいましたし、「バンドのフロントマンはお前くらい強引でわがままな方がいい」という総意のもとで、独裁国家である月岡バンドはほとんどメンバーを変えず、4年間活動できました。

なぜ、あの状態で回っていたのか、不思議でなりません。私がメンバーなら「お前のアレンジはいらないから、俺の言う通りに演奏しろ」なんていうフロントマンは絶対に嫌です。私なら逃げます。「社員はみんな俺の手駒。俺の言うことだけ聞いてりゃいいんだよ」なんて言っている社長がいたら、大問題ですよね。でもなぜか、バンドだと許されてしまうんです。

それは一体、なぜなのでしょう?

 

バンドのフロントマンはそれでいい

結論を言うと、私は、バンドのフロントマンは「才能あるカリスマ」がやるべきだと考えています。(バンドに馴染みがない方は、「バンド」を「○○○(任意の音楽集団)」に読み替えても良いでしょう。)

こう書くとまるで自分のことを「才能あるカリスマ」だと言っているようで痒いですが、もうそこは言わせてください。そうです、私は才能あるカリスマです。私は、才能ある、カリスマです。

性格に多少の難があっても、女遊びが酷くても、クスリをやっていても、作る音楽が最高ならその人は最高です。バンドなら、そうなるんです。そういうカリスマ性のあるフロントマンを、みなさんはたくさん知っていると思います(角が立つのでバンド名は出しません)(あと私はやってません)。

 

ところが、同じ音楽でも「音楽ビジネス」になると「それ」は逆転します。

ビジネスでは、主役はお客様で、自分は脇役。この意識を崩してはいけません。

 

性格に難があってはいけません。お金をいただいている分、期待に応えるのが義務です。お客様の信用に傷をつけてはいけませんから、女遊びもクスリも当然NGです。

才能があれば人は集まってきますが、才能だけでは勝てません。一時の熱狂だけでは、長く生き残ることはできません。

 

私は、音楽ビジネスに本当に必要なのは「安心感」だと思っています。これは動画では言っていない、ここだけの秘密です。

 

「あの人に任せておけば大丈夫だろう」という安心感。これに勝るものはありません。多くの有名なソロミュージシャンがサポートメンバーを固定するのも、それが理由なのではないかと睨んでいます。

自分の作った曲のギターを人に弾いてもらうとき、求めているものはなんですか?もちろん「お前(ギタリスト)色に染め上げてくれ!」と思って依頼する作曲家もいらっしゃるとは思います。しかし、多くの作曲家は「自分の曲の良さを、君のギターで増してくれ」と願って依頼しているのではないでしょうか?

作曲家はエゴイストですから、「自分色」を塗り潰されることを嫌います。あくまでも「自分色」の中で、思い切りやってほしいと願うはずです。

 

苦い想い出

以前、自分の曲を野外で演奏するお仕事の際に、サポートギタリストを雇ったことがあります。もちろんお金を出して雇ったわけですが、このサポートギタリストがもう「自分勝手」の権化みたいな方でした。原曲通りには一切弾いてくださらず、みんなで歌えるイントロのギターリフすらも変えられてしまいました。

「原曲通りに弾いてくれ」とお願いしても、「いや、俺はこのフレーズの方が良いと思う」の一点張りでした。結局本番でも彼のオリジナルフレーズが炸裂し、困惑するお客さんの前で、目を瞑って気持ちよさそうにギターを弾く謎の男、という地獄の構図が完成してしまいました。

当然ライブは失敗です。お客さんからの評判も悪く、「あれならもう観に来ないよ」とおっしゃる方もいらっしゃいました。

今思えば、彼には彼の矜持があったわけです。なのでこれは、私の人選ミスだったわけで、すべての責任は私にあるのですが、それにしても、彼とはもう二度と仕事がしたくありません。もしかしたら、彼とバンドを組むのは面白いかもしれません。ギターはめちゃくちゃに上手かったので。

しかし仕事となると、もう絶対に嫌です。

牛丼屋でお金を払ったらラーメンを出されたような気持ちでした。「ラーメンが美味いんだから別にいいだろ」という問題ではありません。私は牛丼が食べたかったのです。

 

まとめ

なんだか今日は、少しまとまりに欠けますね。実体験を元にして記事を書くと、感情が入ってしまうのが私の悪いところです。しかし、読み返してみたところ、これはこれで面白かったので、今日はこの感じでお届けします。

無理やり結論づけるならば、

バンドなら主役に、仕事なら脇役に徹せよ!

といったところでしょうか。

ゼロカラシティは月岡の独裁国家にならないよう、自己管理を徹底していかねばと常に考えています。みなさんの声をもとに運営していきたいので、何がご意見があればいつでもDMをくださいね。

では、来週もお楽しみに!

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