ミックスマスタリング

こんにちは!ゼロカラカンパニーの月岡です。
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ミックスマスタリング

4月にリリースする4thアルバムの制作が、いよいよ最終段階に入りました。

レコーディングは先週で終了し、最近はずっとミックスマスタリングをしています。各トラックを下処理し、正しい場所に配置して、適切なエフェクトをかけ、音量バランスを整える。文字にすると単純な作業ですが、みなさんご存知の通り、完全なる沼です。

最近の私のルーティンは、

①昼にミックス
②夜寝る前に全曲聴く
③改善点をメモに書き出して
④翌日昼にミックス

これを延々と繰り返しています。リリース日から逆算して、3月31日には提出しないといけないので焦っています。少しでも多くの時間をミックスに割きたいので、YouTubeの動画更新はストップしています。3月はもう出ないんじゃないかな……と思います。

 

ミックスは意外と引き算が重要です。作業が深くなると数え切れないほどのエフェクトを駆使しますが「外したほうがいいコンプ」や「かけないほうがいいEQ」をどれだけ見極められるかが重要になってきます。より純粋な音楽のためには、エフェクトを最小限にするのに越したことはありません。

ボーカルの音量差が気になるな……と思ったら、コンプをかけるより先にボリュームカーブを描き、それで問題なければ無理にコンプをかける必要はありません。ある帯域がうるさいなと思ったら、EQをかけるより先にフェーダーで音量を落とし、それで問題なければ無理にEQをかける必要はありません。シンプルな処理こそが至高なのです。

 

5月以降に、私のアルバムのミックスについて解説する動画を作ろうと思っています。楽しみにしててください。Cubase講師の月岡さんはさぞかし難解なミックスをしているのだろうと思う方もいるかもしれませんが、私のミックスは非常にシンプルです。90%くらいは基本的な作業だけで成立しています。

今回使ったプラグインは、UAD、iZotope、Waves、Cubase純正の4つのみ。特にUADのSound City Studios、Helios Type69、Shadowhills Compressor、API Vision Channel Strip、そしてWavesのDoublerと、iZotopeのOzoneが大活躍でした。これらはほぼ全曲に使っています。あとはもちろん、Cubase純正のCompressorやEQ、ピッチ補正ソフトのVariAudioも大活躍でした。

 

動画で紹介したことのないプラグインは使ってないと思います。逆に言えば、動画、マジで出し惜しみしてないんですよ私って。出し惜しみして勝てる戦いじゃないですからね、YouTubeって。

「情報」って、もはやオープンでいいと思っています。特に音楽なんて、いくら情報を手にしようと最後は(というかほとんどは)個々人のセンスなので、例えば私のミックスの手法を全部公開したところで、私と同じ音楽は誰にも作れません。不思議なことに、同じ音にすらならないでしょう。人はそれぞれ音感、リズム感、聴力、カッコいいと思うツボが違いますから、「情報」がオープンになったとしても「結果」は絶対に異なるのです。ジョンフルシアンテとまったく同じ機材(ギターからアンプからエフェクター、果てはシールドやピックやテクニックまで)を手にしたとしても、あの音は彼以外には絶対に出せないのです。逆に言えば、あなたが出したその音は、ジョンフルシアンテには出せません。

 

YouTubeは、そういう意味ではとても素晴らしいプラットフォームだと思います。情報はすべて無料、誰でもアクセスできて、誰でも発信できる。しかも発信者はどんどん増えています。

私がCubaseを始めたころは、Cubaseの情報を発信していたのはSleep Freaksだけでしたが、今や私をはじめたくさんのYouTuberがDTMの情報を毎日のように発信しています。これは、DTM文化の発展のためにとても喜ばしいことです。自分と音楽性の合うYouTuberを選んで参考にできるなんて、素敵な時代になったなぁとしみじみ思います。実際、他のDTM系YouTuberに比べて、ゼロカラカンパニーの視聴者は生音を使う方が多い感覚があります。これは間違いなく、私が生音を使うからでしょう。

ゼロカラカンパニーは、今後どんどん「生音」に特化していく予定です。例えば「ガジェット系YouTuber」という種族が、その中で「Mac」「iPhone」「イヤホン」「アプリ」のようにジャンルで細分化されていくように、「DTM系YouTuber」という種族も今後は細分化されていくことでしょう。増えてきましたからね、人数が。

私はゆくゆく、「生音×宅録」のジャンルの頂点を獲ろうと思っています。「打ち込み」や「音楽理論」や「作曲家」のジャンルは私より得意な方がいるでしょうが、「生音×宅録」のジャンルは、正直今のYouTubeでは私が一番得意だと自負しています。「生音を録りたくてDTMを始めた人が見るチャンネルはゼロカラカンパニー一択」という状況にできたら、私の勝ちです。

半年前くらいから、ジャンルは強く意識しています。紹介するプラグインが生音と相性のいいものばかりであることに気づいていますか?LUNAの連載が決まったのは、きっとここ半年のブランディングがうまく行った結果だと思います。シンプルに嬉しいですね。

歌やギターの宅録ノウハウは、ゼロカラカンパニーに全部ある。そう言ってもらえるように、地道に活動を続けていきます。まずは目の前の宅録作品のミックスをがんばります。ということで、少し早いですが今日はこのへんで!

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