次のアルバムで成し遂げたいこと

こんにちは!ゼロカラカンパニーの月岡です。
ゼロカラシティにご参加いただきありがとうございます。

このコラムは、ゼロカラシティのメンバー限定コンテンツです。内容はメンバー以外に漏らすことのないようお願いします。

 

さて、今回のテーマは『次のアルバムで成し遂げたいこと』です。

 

4thアルバムへの意欲

そろそろ次のアルバムを作りたい。

昨年末に3rdアルバム「許さず生きろよ」をリリースした。我ながら会心の出来だったと思う。2022年のすべてを捧げて作ったため、制作後は完全に燃え尽きてしまい、年末のゼロカラコンピには初めて不参加という形をとった。

ほとんどのミュージシャンと同じように、私はアルバムごとにテーマを設けている。
1stのテーマは「大学生活」、2ndのテーマは「過去曲の録り直し」、3rdのテーマは「プロセスエコノミー」だった。

4thのテーマはもう決めている。「ギターロック」だ。

何を隠そう、私はギターロックが大好きだ。音楽にハマったきっかけは中学の頃に聴いたエルレガーデンだったし、高校時代はバンプやラッドばかり聞いていた。ゼロ年台邦ロックのど真ん中を走り抜けたギターロック少年、それが私だ。

 

一方で、私は洋楽もたくさん聴いて育った。洋楽との出会いはフォールアウトボーイ。およそ邦楽では聴かないダークなメロディと、ザクザクに歪んだギターサウンドに一瞬でメロメロになった。そこからレッチリを聴き、アヴリルを聴き、ウィーザーを聴いた。およそ有名な洋楽バンドはほとんど通ってきたと思う。

 

大学生になって時間ができると、近所のTSUTAYAに入り浸るようになった。当時、TSUTAYAでは「CD5枚で1000円」のレンタルをやっており、私はこれを週に一回は必ず利用していた。主にロックとポップの名盤を片っ端から借りまくっていた。

そうして何百枚もCDを聴いたころ、私はあることに気がついた。

 

洋楽と邦楽は音が違う。

そして、洋楽の音の方がカッコいい。

 

私はこの発見に興奮した。もちろん、洋楽と邦楽には違いがたくさんある。歌詞の言語や、それに伴う歌メロの作り方など様々だ。
でも私には、本質的な違いは「音そのもの」であるように思えてならなかった。

特にドラムの音が違う。いや、違うなんてもんじゃない。まるで別物であるように感じられた。邦楽のドラムが太鼓だとするならば、洋楽のドラムは銃だ。一発で頭が内側から吹き飛ぶようなスネア。心臓の中で鳴っているようなキック。…明らかに邦楽とは音そのものが違った。

 

当然私には「この違いは何から来るものなのか?」という疑問が生まれる。しかし、当時は今ほど情報が溢れておらず、その答えに辿り着くのは困難を極めた。

プレイヤー?ドラムセット?マイク?プリアンプ?オーディオインターフェース?はたまたケーブル?…何があのサウンドの源なのか、私は気になって気になって仕方がなかった。悶々としながらも音楽を作り続け、これじゃないんだよなぁと思いながらもDTMはやめなかった。

 

あれから10年弱が経った。時代は大きく変わった。ストリーミングの台頭で、いつでもどこでも好きな音楽に無制限にアクセスできるようになった。オーディオ機器の進化に伴い、プロユースのスタジオでしか聴けなかった最高品質の音で誰でも音楽を聴けるようになった。

 

そんな中、エルレガーデンが新しいアルバムをリリースした。ロサンゼルスでレコーディングからマスタリングまで行ったというそのアルバムは、今までの作品とは明らかに次元が違っていた。簡単に言えば、エルレは「洋楽の音」になった。大好きなバンドから「あのドラムの音」がした。鳥肌が立った。何もかもが今までと違った。

半年前にそれを聴いてから、私のロック熱が冷めない。ゼロカラコンピ希望に収録した「Dawn Song」はそんな気持ちで作った作品で、あれはあれで良い音だと思うが、まだ私の追い求める音に到達してはいない。

 

最近は毎日「探求の時間」を作っている。朝一番の耳がフレッシュなタイミングで、1~2時間ほど音作りに勤しむのだ。

私はオーディオインターフェースの「Apollo」を使っているので、すべてのUADプラグインを無料で14日間使うことができる。主にプリアンプとコンプレッサーをいろいろ試しており、Helios、API、SSLなど、名機と呼ばれるものは片っ端から手を出してみた。

エルレの新作のドラムを聴きながら、極力それに近づけようと試行錯誤する毎日。手探りな上に答えのない、気が狂いそうな作業だが、私はこの「音寄せ地獄」が嫌いじゃない。こういうところから発見や成長は生まれるものだし、何より私はこれをもう10年近くもやっている。このチクチクした時間もすっかり趣味のひとつになってしまった。

 

今朝使ったSSLのバスコンプは素晴らしかった。洋楽の「あの音」はかなりのコンプレッションがかかっているが、下手なコンプをかけてしまうとただのベチャベチャしたサウンドになってしまう。家で作る炒飯のような芋臭いサウンドを回避するためには、サラッとした油や高い火力が必要だ。…変な例えを出してしまったけれど、要するに「あの音を出したいならコンプには死ぬほどこだわるべき」ということだ。その点において、SSLバスコンプは正解のひとつかもしれない。(明日の朝には「全然ちがーう!」って言ってるかもしれないけど。笑)


→ドラムバスと相性のいい「SSL 4000 G Bus Compressor」

結局のところ、私は「いい音」が好きなのだ。いい音の基準は人それぞれだけど、私の4thアルバムにとってのいい音は、昔から恋焦がれてきた洋楽の「あの音」。あれを何としても自分の手で、できれば狭い自宅のCubaseから出してみたい。

はっきり言うが、私はもう、ある程度の音なら作れる。だから、宅録とは思えないね、という褒め言葉はとっくの昔に聞き飽きている。「宅録の割にいい音」はもはや私にとって無価値だ。今目指しているのは世界基準のサウンド。どこに出しても恥ずかしくない、超一流のサウンドをこの手で作りたい。

4thアルバムでいきなりそこに到達するのは無理かもしれない。でも、足がかりにはしたい。少なくとも、4thは今までと別次元のサウンドにする覚悟で臨むつもりだ。

だからいつリリースかは自分でもわからない。遅くとも来年春のM3までには作りたいと思っているけど、それも念のため、明言はしないようにしたい。

 

10年恋焦がれた「あの音」を探求する。長い旅になると思うけど、よかったら応援してください。

では、また来週!

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