こんにちは!ゼロカラカンパニーの月岡です。
ゼロカラシティにご参加いただきありがとうございます。
このコラムは、ゼロカラシティのメンバー限定コンテンツです。内容はメンバー以外に漏らすことのないようお願いします。
さて、今回のテーマは『もう、そろそろ全部話そうと思う。』です。
発表
突然ですが、私月岡、12月にフルアルバムを出します。
12曲入りのアルバムで、タイトルもジャケットも未定。…ですが、「出すこと」だけはかっちりと決まっています。
なぜ出すことだけ先に決まっているのか?
それは、私がこの1年間、そのために動いてきたからです。
2022年のフルアルバム計画
ゼロカラシティの中ならご存知の方も多いと思いますが、私はこの2022年、毎月1曲ずつ新曲をリリースしていました。
何のために、そんなチャレンジをしていたのでしょうか?
2022年1月に出した動画の中で、私は「DTM講師なのに曲を出していないのは変じゃないですか〜」と言っていたと思います。もちろんあれは本心で、曲を出していないDTM講師(というかDTM系YouTuber)なんて嘘だと思っているので、ある種、威厳のために曲を出し続けていた。そう言った側面は確かにありました。
しかし、実は本当の狙いはそこではありませんでした。威厳だけのために毎月曲を出すわけ、ないじゃないですか。
私は最初から、2022年の12月に「今年リリースした曲を詰め合わせたフルアルバム」を出すと決めていました。
つまり、私はこの1年間、ずっとフルアルバムの制作を続けていたのです。
今は10月。つまり、10曲できています。あと2曲は、11月と12月に書き上げます。
そして、どんな曲にするかは、もう決まっています。なぜなら、この1年間、私は「アルバムの統一感を意識して」作曲をしていたからです。
すでに私の頭の中では、完璧な流れの12曲入りフルアルバムが完成しています。あとはそれを形にするだけです。
月岡彦穂の「ミュージシャン歴」
しっかりと話したことはないかもしれませんが、私は今までにアルバム(シングル以外をアルバムと定義しています)を8枚出しています。
大学時代に組んでいたロックバンドで3枚、今組んでいるポップバンド「SUISO」で2枚、そして「月岡彦穂」として3枚です。
そのうち4枚は、いまでもサブスクで聴けます。(ジャケットをタッチすると、サブスク配信ページに飛びます)
・月岡彦穂 1st:ほんとうのこと(2018)
・月岡彦穂 2nd:YOUNG(2018)
・SUISO 1st:SUISO NOTE 1(2020)
・SUISO 2nd:SUISO Lab 1(2021)
どれも名盤なので必ず聴いてください。めちゃめちゃDTMの勉強になりますし、何より曲が最強ですから。マジで覚悟してくださいね。
…さて、宣伝はさておき。
私はこのように、なんだかんだでほぼ毎年アルバムを出していたのです。これ以外の4枚(現在は廃盤)も、2014年から2017年まで、大体1年に1枚のペースで出していました。
当然、2022年のスタート時に「今年はどんな感じで行こうかな」と考えました。
アルバムを「作ること」は過去を振り返れば確定。そして楽曲の中身も、私が作れば最強であることは確定。
となれば、問題は「どうやってたくさんの人に届けるか」です。
私が辿り着いた結論はこうでした。
「今回は、アルバムを作る『過程』で魅せる」
「過程」にこそ価値があるのでは?
長いアルバム制作歴の中で、私が学んだことは山ほどありますが、その中でも痛烈に実感したのは、
「みんな他人の長尺コンテンツに興味ない」
ということです。
シングル曲のプロモーションは、さほど難しくありません。4分の曲だったとして、そこからキャッチーな部分を切り抜いて15秒。15秒間だけ人様の時間をいただくのは、まあ頑張れば全然可能です。
私が過去にとってきた戦略で言うと、MV制作やタイアップ案件の獲得、あるいはそれこそ「ゼロカラコンピ」に収録するなど。シングルだったら、いくらでもプロモーションのしようはあります。
しかしアルバムとなると、これがなかなか難しい。なぜならアルバムは「試食」ができないからです。
シングル曲は「ちょっと聴いて、気に入れば買う」ことができます。これが試食です。
しかし、アルバムは数曲入っているので、ちょっとずつ聴かせても合計すると1〜2分になってしまいます。
試食に1〜2分もかけてくれるお客様は、今の時代なかなかいません。ゆえに、アルバムはシングルと比べて、とてもプロモーションが難しいのです。
…でも、やっぱりアルバム、作りたいじゃないですか。届けたいじゃないですか。
だから「魅せ方」を徹底的に考える必要がありました。
私は考えました。…まず前提として、私はまだ誰からも認知されていないミュージシャンです。ほとんどの人間にとって「月岡彦穂」は「知らねーやつ」です。
さあ、この状態から、アルバムを聴いてもらうためにはどうしたらいいか?
考えるべきは、
「ミュージシャン自体に詳しくなくてもアルバムを手にとってしまうのは、どんな条件が揃ったときか?」
です。
自分にはそういう経験があります。何度もあります。それで好きになったミュージシャンだってたくさんいます。
あれはどんな時に起こっていた現象だったのか?
私には、ひとつ思いつく節がありました。それは「好きな曲が入っているアルバムは、つい手にとってしまう」です。
米津玄師が2020年に出したアルバム「STRAY SHEEP」は爆発的に売れました。あれはもちろん、米津玄師その人の人気もありますが、「Lemon」が収録されていたことも大きいのではないか、と私は睨んでいます。現に、STRAY SHEEPは「Lemonが入っているアルバム」と語られることも多いです。
このように、アルバムの中に好きな曲が入っていれば、手にとってもらえる確率は高くなっていくのではないか?
そう、いわばそれは「試食済みの曲」です。
そして、試食は1曲では足りません。私は米津玄師ではないので、1曲では引きが弱すぎるのです。
できれば2曲、3曲…。アルバムの中の「試食済みの曲」は、できる限り増やすべきだと考えました。
では、「試食済みの曲」はどうすれば増やせるのか?
答えは「先にシングルで出しちゃう」でした。
しかし、
…しかし、「シングルたっぷりアルバム」なんて、それはもう、みんなやっていることです。
自分にしかできない、「差別化」になる一手が欲しい。私はそう考えました。
そのためには、自分とまっすぐ向き合う必要がありました。
つまり、ここから考えるべきは、「月岡彦穂の武器ってなんだ?」です。
私は今まで、曲が圧倒的に良いのが自分の武器だと思っていました。
しかし、その売り方でハジけていない以上、これはみんなが求めている月岡彦穂ではなかったということです。
曲がいいだけでは売れなかったのです。
じゃあ、求められている月岡彦穂って、一体どんな姿なんだろう?
私はここを、客観的に、数字で判断することにしました。
月岡彦穂が一番フォロワーを抱えている場所はどこか?
それはYouTubeです。
では、月岡彦穂はYouTubeで「何を」求められているのか?
それは「わかりやすい解説」です。
ありがたいことに、私の動画は「わかりやすさ」に定評があります。みんな私のことを「教えるのがうまいDTM講師」として見ています。
そうでした。月岡彦穂の真の武器は、曲の良さではなく、「解説がうまいこと」だったのです。
だったら、解説してしまえばいい。
シングル全部、作る過程も見せて、洗いざらい解説してしまおう。
そうして始まったのが、今はゼロカラシティ限定動画となった「徹底解剖シリーズ」です。
要するに、
「聴いたことがあって、しかも、作る過程も見てきた曲だらけのアルバム」
…これこそ、月岡彦穂にしかできない魅せ方なのではないか?
そう思ったのです。
私は今回、なんと12曲中「11曲」は既知の曲でアルバムを作ります。
1月〜11月までに出したシングルはすべて入れます。束、Reborn、転生、エクストラ…。そして、12月の新曲だけはシングルカットはせず、アルバムの最後の1曲として収録します。
聴いてください。
このアルバムは、私の中で実験作です。
どんなリアクションが来るのか、全く予想できません。今までで一番聴かれる可能性も、見向きもされない可能性もあるでしょう。
ちなみに、この魅せ方を考える上で参考になったのが「プロセスエコノミー」という考え方です。興味があれば調べてみてください。
そして最後に。
これは書くかどうか迷ったのですが、「この記事自体もアルバムのプロモーションです。」
私が何を考え、どう試行錯誤し、何を実験しているのか。
その過程すらも、アルバムの一部として全部「魅せ」ます。
これが私のやり方です。
最後にお願いです。
12月に出るアルバムを聴いてください。
もちろんサブスク配信しますし、CDも少数ですが作ろうと考えています。
月岡彦穂の音楽を聴いてください。絶対に後悔させません。
では、来週もお楽しみに!