私が作曲で一番大切にしていること / ある仕事をおしまいにしました

こんにちは!ゼロカラカンパニーの月岡です。
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私が作曲で一番大切にしていること

正月気分もすっかり抜けて、また日常が戻ってきました。

最近は専ら、次のアルバムの制作に取り組んでいます。4月末のM3でCDを出したいので、逆算すると3月末にはマスタリングをする必要があり、すなわちあと約80日で10曲ほど完成させなければなりません。

かなりシビアなスケジュールですが、やると言ったらやります。ちょうど先ほど、アルバムの顔となるリード曲が完成しました。何度も聴いてウキウキしています。この曲はMVを作るので、ここから映像クリエイターの方と入念な打ち合わせを行い、4月末にはMVを公開できるようにがんばります!

 

ちなみに、私のアルバム制作の手順は少し変わっていて、一番最初に「サウンド」を詰めに詰めます。

最初にリード曲を完成させることでアルバム全体のサウンドを確定させ、その楽曲で使ったドラムやベース、ギターの音色はもちろん、Ozoneの設定まで全部プリセットとして保存し、以後、そのプリセットを使って概ねサウンドを変えずに全曲録音します。このやり方をするとアルバム全体に統一感が出て好きなんですよね。

 

私の次のアルバムのサウンドコンセプトは「ロックバンド」です。ほとんどの楽曲はドラム、ベース、ギター、歌のみで作っています。

昨年ゼロカラコンピでリリースした3曲「Dawn Song」「Lost」「Life Is Ours」もそうでした(彼らは再録されてアルバムに入ります)。2年あまり追求し続けた「一番好きなロックバンドの音」に、答えが出せればいいなと思っています。それでいうと、UADプラグインの「Sound City Studios」は、かなり私の理想を体現してくれました。昨年、清水の舞台から飛び降りるつもりで買ったテレキャスもかなり良かったです。

 

ところで、私は「サビの爆発」を何より重視しています。

そういう音楽をカッコいいと思って育ってきました。だからサビで一気に感情が爆発すす楽曲、およびサウンドメイクを好みます。一段階音圧が上がって、ワイドな広がりがあって、複雑にハモリが絡み合う。そういうサビを作るのが好きなんです。

「サビ」は日本人が生み出した最高の発明だと思います。この世にサビがなかったら、私は音楽にハマってなかったと思います。私以外にもそういう方は多いと思います。昭和の名曲から平成の青春ソングまで、数多くの素晴らしいサビに敬意を払いながら、サビを一番大切にして音楽を作り続けてきました。「アルコ」や「Today」のようなAB進行も実は同じくらい好きなのですが、サビのある音楽ばかり作ってしまうのは、やはり私がサビに魅了されているからなのでしょう。

 

そんな私が、今まであえてやってこなかった技があります。それが「サビ始まり」です。

歌い出し0秒でサビに行く構成を、私はなんとなく避けてきました。理由は、正直言ってあまり好きではなかったからです。サビは溜めて溜めて、ボルテージが上がり切った状態で爆発するのがカッコいいのであって、いきなり出されてもなんだか興醒めだな、ノリきれないな、と思っていました。

しかし、最近完成したリード曲では「サビ始まり」を採用しています。なぜか?それは自分の殻を破りたい気持ちがあったからです。「サビ始まりは好きじゃない」と口では言いつつも、サビ始まりの曲が流行っていることや、サビ始まりが好まれる理由も同時に痛いほどわかっています。というか、時代の方向性はどう考えてもサビ始まりにベクトルが向いています。ここで「サビ始まりなんてイヤイヤ!」と言い続けるのは、例えるなら、スマホが浸透してもガラケーを使い続けるようなものです。別にガラケーを使い続けても死にやしませんが、徐々にさまざまな崖っぷちに追い詰められていくでしょう。

私はここらで、苦手意識のあるサビ始まりに挑戦しないといけない。どうせ挑戦するなら、コソコソと7曲目とかでやるんじゃなくて、がっつり目立つリード曲でやってやろうじゃないの。そんなアグレッシブな気持ちで、今回のリード曲は作りました。ぜひリリースを楽しみにしていてください。

 

ある仕事をおしまいにしました

昨日は専門学校の最終出勤日でした。

2年半ほど悪戦苦闘していましたが、無事に最後まで走り切ることができました。最終日は学生全員と個別面談をして、1年生には2年生になってからやるべきことを、2年生には卒業後も頑張れよ的なアフタートークをしました。

 

上から下まで様々な学生がいる中で、やはり心に残っているのは『極』の学生です。

夏休み明けから突然来なくなった学生について同僚に聞いたら「あいつ未成年飲酒で退学になって、今はホストやってるみたいです」と言われた日のこと。とびきり優秀な学生から「俺、月岡先生に言われたとおりフリーランスになって、今月80万売り上げました!」と嬉しそうに言われた日のこと。強く記憶に残っています。なかなかできない貴重な経験をさせてもらったなあと思います。

 

気がつけばもう11年も教育業界にいますが、一旦ここで教育の仕事はおしまいにします。小学生、中学生、高校生、専門学生、社会人とあらゆる種類の人間に授業をしてきた経験は、確実に私を成長させてくれました。ありがたいことに、YouTubeの解説がわかりやすいと言ってもらえるのは、たぶん私が18歳からずーーーーーっと「人に何かを解説する」という訓練をしてきたからです。最初からできたわけじゃありません。

そして18歳の頃、まさか自分がDTMの解説屋さんになるとは思っていなかった(当時は高校の先生になりたかった)ので、そう考えると、人生何がどう活きるかわからないなと思います。

ゼロカラコンピやYouTubeにもっと多くの時間を割くために私は教育業界から離れますが、また機会があれば戻りたいと思っています。私は教育が好きです。あと、たぶん得意です。だから私の人生は、きっとまたどこかで教育と交わるでしょう。その日を気長に待ちながら、今はようやく作れた時間で目の前の使命に集中します。

 

私は来年30歳になりますが、自分ってどんな40歳になるんだろう、とたまに考えます。

なんとなく、40歳で「ゼロカラカンパニーの月岡です」と言っている気はしないんですよね。これはポジティブな意味でです。要するに、人生がこのままのスピードで回転し続けたら、きっと10年後には予想もできないことをやっているだろうと思うのです。だって10年前に「ゼロカラカンパニー」とか「YouTuber」とか「ゼロカラコンピ」とか「ゼロカラシティ」とか、欠片ほども想像できなかった訳ですから。

10年経てば、私も世間も全ての細胞が変わってしまうでしょう。その世界に私が望むことは意外と2つだけで、「ゼロカラコンピがDTMerの文化になっていますように(仮にゼロカラコンピという名前ではなくなっていても)」と、「健康でいられますように」です。後者は月並みですが大切なことですよね……。

みなさんは10年後、何をしていると思いますか?誰と仲良くしていると思いますか?……考えたところで答えは出ませんので、結局、今を一生懸命生きるしかないのだと思います。私もがんばりますので、あなたもがんばってください。では、また来週!

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