YouTuberの仕事は「好き」に嘘をつかないこと

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YouTuberの仕事

新しい動画シリーズとして、4月末から2つのコンテンツが始まっている。

・UADプラグイン徹底解説
・「ロックスター」ミックス解説

DTMの解説をする初心者向けYouTubeチャンネルで、一番「生音」に特化したチャンネルはうちだと思う。シンセをあまり取り上げず、ドラムやギター、歌の話ばかりしているチャンネルは珍しい。

これは決して差別化戦略ではなく、単純に私が「バンドものが作りたい人間」だから自然にこうなっている。シンセ、サンプル、ボカロも素晴らしいと思うが、私はあまり使わない。興味があるのはコンプやEQなどのエフェクター、ギターアンプシミュレータ、マイクなどのハード機材。どれも生音に関するものばかりだ。

その中でも、UADプラグインは特に好きだ。2019年にゼロカラカンパニーを立ち上げて、音楽を仕事にするためにと奮発して買ったApollo。完全にUADプラグイン目当てだった。今でこそネイティブ版がリリースされて誰でも使えるようになったUADプラグインだが、当時のUADプラグインはApolloなどの専用ハードなしでは使えなかった。UADプラグインが使いたくてApolloを買った人はたくさんいるだろうし、私もその中の1人だ。

5年経っても、私はまだUADプラグインに惚れ続けている。定期的に買い足しており、愛は深まっていくばかりだ。UADプラグインの素晴らしさを語り合いながら酒が飲みたい。それくらい好きだ。好きと言い続けていたらUADプラグイン関係の仕事が増えて、1176LNの実機を触らせてもらえたりなどした。非常にありがたいことだ。

 

UADプラグインの使い方動画はぼちぼち作っていたものの、どちらかというとセールに焦点をあてたものが多く、時事の関係ない純粋な「解説動画」はあまり使ってこなかった。YouTuberは再生回数ファーストなので仕方がないとはいえ、大好きなUADプラグインと腰を据えて向き合っていない感じがして、ずっと喉の奥に小骨がひっかかっている感覚だった。小骨を取りたくて、この春からひとつひとつの解説動画を作り始めた。LA-2AとPultecEQの2本が公開済みで、これからじゃんじゃん増やしていこうと思っている。

 

 

セールと絡めていないので現時点での再生回数は少なめだが、逆に言えば、時期に依らず検索され続けるのでじわじわ伸びていくだろう。Cubase講座と同じロジックだ。きっとこれが入口になって知ってくれる人も徐々に増えるはず。3年後が楽しみだ。

 

 

そしてもう一本。新曲「ロックスター」の解説シリーズも始めた。

現在はマスタリングとボーカルの解説動画が出ている。UADプラグインと違って数は出せないので、残るはギター、ベース、ドラムの3本を予定。

 

 

私のミックスはセオリー通りでない箇所が多いのでちょっと炎上が怖いが(笑)、まあ隠せるものでもないので全部さらけ出すつもりだ。早速ボーカル解説動画に「風呂で聞いてるみたい」というコメントが付いたが、この人の感覚はある意味で正しい。私は深めのリバーブが好きなのであれでGOを出しだが、クライアントワークであのリバーブだったら怒られるだろう。ケースバイケースなのだ。

ミックスの解説動画すべてに共通する注意点として、「その人の好み」を無視しては通れない。私のチャンネルでは「私が良いと思っている」音作りを紹介しており、いまみなさんが思い浮かべたあの人も、あの人も、あの人も、誰もが「その人が良いと思っている」音作りを紹介しているにすぎない。

発信者の主張は平気で矛盾するが、それは何もおかしなことではなく、むしろ矛盾してあたりまえであり、矛盾するからこそ世界には多様な音楽が存在する。私はそれをすごく面白いと思っているので、もっともっと多様な価値観が発信されてほしいと思うし、できることなら、発信者も受信者も「主張の違い」で喧嘩することなかれと思う。

そのために発信者は「自分の好きなものを明言すること」が大切だと思う。例えば、私はバンド音楽が好きだ。作る音楽もほぼ全てバンド音楽だし、バンド音楽と相性がいいノウハウやプラグインばかり紹介している。だからゼロカラカンパニーの視聴者にはバンドマンが多く、特に自分で歌う方やギターを弾く方が多い。私が「バンドが好き!」と声を上げることで、同じくバンド好きなDTMerが集まってきているのだ。

先日ゼロカラコンピ参加者7人と飲んだときも、全員がバンドマン/元バンドマンだった。この状態はとても健全なので、今後も「バンドが好き!」と発信し続けようと思う。(念のため書いておきますが、バンドマン以外は見るな、とは言ってないですからね。)

そういう意味では、YouTuberの仕事は「”好き”に嘘をつかないこと」と言えるかもしれない。私はバンド音楽を作り、そのノウハウを動画にする。作った音楽もどんどんYouTubeで公開し、その裏側をじゃんじゃん動画にして出す。するとバンドマンDTMerがたくさん集まってきて、私と視聴者で需要と供給が一致してWin-Winの関係が築ける。それを見たバンドマンDTMerをターゲットにした会社から仕事が増える。私も視聴者も興味のあるコンテンツをたくさん紹介できる。仕事の報酬を制作費に回し、MVを作ったりライブをしたりして視聴者に楽しんでもらう。発端は私が「バンドが好き」と言った点から始まっている。すべては有機的に繋がっており、あとはこのループを大きくしていけば良い。頑張ろう。

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