夢を追う若者に向き合って感じた本音

こんにちは!ゼロカラカンパニーの月岡です。
ゼロカラシティにご参加いただきありがとうございます。

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今回のテーマは『夢を追う若者に向き合って感じた本音』です。

※若干過激な表現があるのでご注意ください。

YouTuberになりたい学生との面談

さっきまで専門学校にいました。ある学生(Aくん)が退学したいと申し出たので、それを阻止するための三者面談が開かれたのです。

私は現在、とある専門学校で働いており、そこでは18~20歳くらいの、YouTuber、あるいは動画編集者になりたい学生を相手にしています。

今回退学を申し出たAくんは、半年前に入学したばかりの1年生で、希望進路はYouTuberでした。そして、退学を希望する理由は「YouTuber志望者向けの授業が、思ったより少なかったから」でした。
うちの学校は『YouTuber志望者』と『動画編集希望者』に同じ授業をしているのですが、Aくんは後者の割合が多いと感じており、それが不満だったそうです。彼曰く、「もっとYouTuberになるための授業が受けられると思っていた」と。

 

実際の話をしますと、Aくんの主張「YouTuber向けの授業が少ない」は完全に間違っています。
なぜなら、動画編集者向けの授業(ソフトの使い方や魅力的な編集のコツ、撮影や企画構成のスキル)は、そのままYouTuberの活動に活かせるからです。

要するに、うちのカリキュラムに『YouTuberが対象外の授業』なんてそもそも存在しないんです。あるのは『YouTuber&動画編集者に向けた授業』と『YouTuberだけに向けた授業』の2種類です。
百歩譲って、動画編集者になりたい学生が「発声の授業なんて受けたくない」と言うならまだわかりますが、逆は意味がわかりません。

 

だから本音を言えば「おまえは何を言っているんだ?馬鹿なこと言ってないで真面目にやれ」なのですが、そんなことをAくんに言っても何も解決しないので、私は少し考えてみました。

Aくんの言う『YouTuberになるための授業』とは何かについてです。

 

詳しく話を聞いてみると、以下のような答えが返ってきました。

 

Q:君はYouTuberになりたいんだよね?
A:はい。エンタメ系のYouTuberになりたいです

Q:動画編集の授業は、なぜ不必要だと思うの?
A:僕の動画は編集少なめのラフなスタイルだから、あまり難しい編集は必要ない。

Q:撮影技術の授業は、なぜ不必要だと思うの?
A:僕の動画は定点にカメラを置いて撮るだけだから、撮影のスキルは必要ない。

Q:企画構成の授業は、なぜ不必要だと思うの?
A:YouTuberは芸能人と違って素人がラフにやってる感じが面白いから、凝った企画は必要ない。

Q:…ところで、君は入学してから動画を3本しか投稿してないけど、それはどうして?
A:忙しくて。

 

 

 

 

 

 

舐めてんのかクソガキ

 

 

あっ、ごめんなさい。こんなの私のキャラじゃないですね。以後気をつけます。

 

いやぁ……みなさんどう思います!?
ピンときてない方のために『音楽』に置き換えてみますね。

 

Q:君はミュージシャンになりたいんだよね?
A:はい。

Q:編曲の授業は、なぜ不必要だと思うの?
A:僕の音楽は音数少なめのラフなスタイルだから、あまり難しい編曲は必要ない。

Q:録音技術の授業は、なぜ不必要だと思うの?
A:僕の音楽は一発録りだから、録音のスキルは必要ない。

Q:音楽理論の授業は、なぜ不必要だと思うの?
A:理論を学んでない野生の感じの方がカッコいいから、理論の勉強は必要ない。

Q:…ところで、君は入学してから音楽を3曲しか投稿してないけど、それはどうして?
A:忙しくて。

 

 

 

 

 

 

 

 

すぞ

 

 

あっ、ごめんなさい、これは流石にアウトですね。消しときますね。

 

さて。

 

Aくんの反論なんて出そうと思えばいくらでも出てきます。「編集少なめのスタイルはトークスキルが芸人並みじゃないと無理だよ」とか、「今はプロがたくさん参入しているからエンタメは定点カメラ一発じゃ厳しいよ」とか、「素人の雑な企画がウケたのはもう昔話で今はむしろ企画力勝負だよ」とか、「そもそも動画を3本しか作ってねえやつに何がわかるんだよ」とか、「夢を叶えるのに無駄なことなんてないんだよ」とか。

 

でも、正直にいうと、私はAくんと会話しながら、急に疲れてしまったのです。

 

あぁ、こいつに何言ってもダメだ。
一刻も早くこの不毛な時間を終わりにしよう。以外の感情が完全に消え失せてしまいました。

 

 

いやいや月岡さん、あきらめるなんてひどいじゃないですか。そこに向き合うのがあなたの仕事でしょう?

そう思った読者もいるかもしれませんが、私、これ、授業で毎回言ってきました。Aくんとの個人面談でも必ず言ってました。

Aくんの夢を叶えるため、ひいてはYouTubeに対する間違った認識を正すために、理解してもらえるまで同じことを何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も言ってきました。

 

教育の現場では、学生に想いが伝わらないことなんて日常茶飯事です。しかし、18歳で家庭教師のバイトを始め、専門学校やCubaseレッスンを生業とする今に至るまで、目の前の相手に価値を提供することだけを目標に、あの手この手を尽くして私は10年も現場から逃げずに戦ってきました。そして、自慢のようで恐縮ですが、私はきちんと結果を残してきましたし、現場での高評価も幾度となく受けてきました。

 

 

でも、なんだか今回で、糸がぷつんと切れてしまった感覚がありました。

 

 

私は目の前の18歳に対して「お前もうどうにでもなれよ」と思ってしまいました。これは教育者としてあるまじき態度です。

 

 

もし、もしですが、Aくんが動画を3本ではなく100本投稿していたならば、私はきっと寄り添ったと思います。
「君なりに試行錯誤した末の結論なんだね」と彼を認め、一緒になって将来を考えることができたはずです。

 

しかし、彼は『本気じゃなかった』のです。
本気でYouTuberになりたいのなら、半年で動画を3本しか作らないなんてありえません。忙しいから、なんてくだらない言い訳をするはずがありません。

 

あぁ、私は自分が馬鹿らしくなりました。彼にかけてきた言葉も、休日返上で準備した授業も、1対1で夢を語らった面談も、全部ウソだったのです。AくんはYouTuberに『なりたい』のではなく『なれたらいいな』だったのです。
「うまいこと自分の好きなことで人生がなんとかなったらいいのにな〜。でもがんばるのは無理だな〜」という人間を相手に、私は貴重な時間を使って、必死になって頭を捻っていたのです。

 

 

 

今日決めました。私、専門学校やめます。

後期(10月〜)の契約はもうしているので、3月で終わりにします。

 

 

 

そんなAくんひとりがダメだったくらいで…と思われた読者もいるかとは思いますが、何も彼が初めての事例ではありません。専門学校にはこんな感じの学生がうじゃうじゃいるのです。

勉強してこなかったせいで大学には行けず、でも就職はしたくなくて、夢もなく、実家には金がある子供。
そして、これまで何も頑張れなかった我が子がようやく見つけた夢に賭けてお金を出したい親。

私の見てきた『専門学校』は、そんなロクでもない親子を『キラキラした夢』という餌で釣って、『モラトリアム代』という金をむしり取るビジネスでした。もう十分理解できました。これ以上加担したくありませんし、教鞭もとりたくありません。

 

結局、Aくんとの三者面談は母親が「うちの子が退学したいと言っているから退学させる。やりたいことが見つかるまでは私がなんとかする」と言ったことで終了しました。…Aくんは母親にそんなことを言わせて恥ずかしくないのでしょうか。母親はいつまで子供を甘やかすつもりなのでしょうか。私には到底信じられません。Aくんはどこまで逃げ続けることができるのか、私に知る由はありませんが、別に興味もありません。

 

まとめ

 

わー!読み返したら文章暗すぎ!

 

ごめんなさい。さっき起こったことなので、まだ生々しい感情が残ってるみたいです。でもあえてこのまま公開します。

 

念のため断っておきますが、今日のブログに書いてあることはすべて「月岡の経験から来る個人的な感情」です。特定の誰か、例えば、専門学校に通っていたあなたや、あるいはあなたの子供に対して侮蔑的な意図は一切ありませんのでご了承ください。

というわけで、最後までお付き合いいただきありがとうございました!この話は終わり!また来週!

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