結局、継続がすべてなのかもしれない

こんにちは!ゼロカラカンパニーの月岡です。
ゼロカラシティにご参加いただきありがとうございます。

このコラムは、ゼロカラシティのメンバー限定コンテンツです。内容はメンバー以外に漏らすことのないようお願いします。

 

さて、今回のテーマは『結局、継続がすべてなのかもしれない』です。

 

YouTuberはオワコン!?

最近YouTubeでバズっているのが「YouTuberの収益が減っている」というトピックスだ。

最初にこの話題でバズったのはたぶん「PDS株式会社」というチャンネルだったと思う。チャンネル登録者160万人を抱えるモンスターチャンネルの収益が、全盛期に比べて20分の1になったというニュースは、YouTuberのみならず視聴者にとってもショッキングだったのようで、瞬く間に拡散され、それに呼応する形でさまざまなYouTuberが「俺も」「私も」と便乗した。世間はすっかり「あぁ、YouTuberってもうオワコンなんだ」という風潮になった。

実際、YouTuberがオワコンなのかというと、まったくそんなことはない。先の発言をまるで全YouTuberの代弁かのように受け取った人もいるかもしれないが、それは違う。例えばヒカキンさんは最近の動画で「自分の収益は3年前より伸びている」と公に発言しているし、ヒカキンさんの後におずおずと発言させていただくと、実は私の収益も伸びている。例の問題は収益が減った「人もいる」という程度のことで、むしろYouTube全体で見れば広告主の参入はテレビのそれを超え、そう簡単には終わることすら許されないプラットフォームであると私は感じている。

 

ところで、YouTubeの収益は大きく

  • 広告収益
  • 案件収益
  • メンバーシップ収益
  • 投げ銭収益
  • 自社製品の売上
  • 外部メディアへの露出

に分けられる。

この中では広告収益が最もキャッチーなので、YouTuberの月収=広告収入と思っている人もいまだに多いようだが、実際にはYouTuberには6種類のキャッシュポイントがある。今の時代、これらをバランスよく回していくことがYouTubeで飯を食っていくためには大切なことであり、逆に言えば、どれかひとつに全賭けしている人は徐々に先細っていく。これからはバランス感覚が求められる時代なのだ。

 

今日は、私が最近YouTubeで注目しているクリエイターを紹介しようと思う。彼はかなり古参のYouTuberで、世間からはオワコン扱いされてしまった人物である。しかし、よくよく見てみるとまだバリバリにYouTuberとして飯を食っており、そこらへんの会社員よりはるかに稼いでいる気配がプンプンする。彼の戦略が面白いと思ったので、私も大いに参考にしつつ、みなさんにも紹介する。

そのYouTubeとは、この人である。

 

10年前にピークを迎えた音楽系YouTuber

 

彼の名は瀧澤克成さん。ギターレッスン系YouTuberだ。

 

チャンネル開設はなんと2009年1月。まだYouTuberという言葉がない頃からYouTubeをやっている超古参組だ。音楽系チャンネルで古参と言われるSleepfreaksさんのチャンネル開設が2010年といえば、彼の「早さ」は伝わると思う。

 

瀧澤克成さん(以下:瀧澤さん)のことを知っている方も、読者には多いはずだ。なぜなら彼の活躍した2010年代前半にギターを始めた人間は、YouTubeでギター動画を見るなら彼以外の選択肢はなかったからである。かずきさんもリッキーさんもいなかった当時、ギターを動画で勉強しようと思ったら「瀧澤1択」だったのだ。彼はゴリッゴリに先行者利益を貪り、すべてのギタリストの父として君臨していた。

→一番再生されている2010年の動画は、247万回再生されている

 

私もごたぶんに漏れず、彼の動画を見漁った。当時高校生だった私は瀧澤さんを神として崇拝し、瀧澤さんが黒といえばそれは黒だった。彼の動画を流しながら運指のトレーニングをし、カノンロックに熱狂した。

 

さて、いま彼のサムネ(カスタムサムネのない時代のサムネ!)を見て「懐かしいー!」と言っている人のほとんどは、瀧澤さんがまだYouTubeをやっていることに驚いたと思う。私も発見した時は思わず声を上げてしまった。「えー!まだやってたの!?」と言ってしまった。大変失礼な発言だが真実である。

瀧澤さんは、まだYouTubeをやっているのだ。

現在のチャンネル登録者は約22万人。再生回数のアベレージは3000回くらい。チャンネル登録者は私の10倍だが、再生回数は全然10倍ではなく「ちょっと多い」程度だ。この数字だけを見ると瀧澤さんはオワコンと言いたくなってしまうが、瀧澤さん、全然現役バリバリである。

 

ここからは、彼が現役バリバリであると判断した理由を書き連ねていく。

 

「うまくやってる」

結論から言うと瀧澤さん、めちゃくちゃうまくやっている。

彼の「うまくやってる」エピソードは以下の通りだ。

 

  • 固定ファンがしっかりおり、メンバーシップへ誘導できている
  • YouTube以外の活動に軸足を置いている
  • いい歳の重ね方をしており、それを外に出している

 

まず大前提として、固定ファンが一定数以上いるチャンネルは潰れない。目安としては、100人以上の人が熱心に追っているチャンネルには潰すメリットがない。私の経験上、ネットコンテンツでお金を稼げるか否かは「熱心なファンが100人いるか」が目安になっており、瀧澤さんはこの基準をしっかりと満たしている。

熱心なファンとは「メンバーシップに入るくらいのファン」のことであり、瀧澤さんはここへの誘導も非常にうまくやっている。しかも、自身のファンその年齢層が高めであることを知っているのだろう。メンバーシップの内容もネーミングも、バチバチに30〜40代を意識したブランディングになっている。


→カスタム絵文字の圧倒的ガラケー感が最高

 

そして彼はYouTube以外の活動にもしっかりと軸足を置いており、具体的には伝家の宝刀ギターレッスンや、ウタイストというミュージシャン活動にも力を入れている。彼のギターレッスンは非常に魅力的だ。なぜなら、彼のレッスンが上手いことはすでに長期にわたる動画投稿によって証明済みだからである。これは奇しくもゼロカラカンパニーのCubaseオンラインレッスンと同じビジネスモデルであり、私は瀧澤さんがギターレッスンを続けていると知ったとき「ですよねーーー!!!!!」と心の中で叫んでしまった。

彼の最大のキャッシュポイントはきっとここであり、かつ、いまだに結構な売り上げがあるのではないかと睨んでいる。なぜなら、動画は資産だからだ。彼が昔投稿したギターレッスン動画は、今でも見ることができ、そして10年経とうと良いものは良い。

私もこの記事を書くにあたり久しぶりに彼の昔の動画を何本か見たが、テロップがなかったり画質や音質が悪かったりはするものの、内容はさすがの一言に尽きる。ギター初心者の悩みの質なんて10年やそこらで変わるものではないので、今でもギター初心者に彼の動画はズバッと刺さっているはずである。

 

そして彼は、愛妻家をアピールしているところも良い。最近2人目の娘が生まれたらしく、嫁と子供にメロメロであることをTwitterでよく書いている。

→このハマり方である

「昔めちゃくちゃ流行った時の人が、今は愛妻家で子供が2人いる」というシナリオは最強である。子供が2人いるということは経済的に困窮しておらず、まだちゃんと食えているということの証明になるからだ。しかも瀧澤さんのファン層に「愛妻家」は刺さりそうである。

 

彼はクレバーである。ただの「昔バズった人」ではない。今も現役のクリエイターとして、そして経営者として、したたかに生きていくこと間違いなしだろう。


→なんかいいよねこの感じ

結局、継続がすべてなのかもしれない

瀧澤さんには本当に色々あったに違いない。時代の流れについていけずに涙を飲んだ夜もあっただろう。YouTubeを辞めたくなったことも、数えきれないくらいあったはずだ。就職だって考えたかもしれない。

でも彼がまだ生き残っているのは、ひとえに「続けたから」である。14年もの間、愚直にYouTubeと向き合って来た。続けることの大切さを、というか、腐らず辞めないことの大切さを、私は彼から改めて学んだ。

 

いつかコラボできたら最高だなと思う。高校生の頃見てました、って、きっと何百人に言われているんだろうけど、それでもやっぱり、敬意を込めていつか直接お礼が言いたいものだ。

これからもYouTubeを愚直に続けていこう。やるぞ。

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